香取慎吾さん、29歳おめでとうございます!!
きっとずっと大好きな彼は、私の中で変わらないです。
ってことで盛大にお祝いの気持ちを込めて以下どうぞ。
2006年1月31日、時刻は12時を過ぎたばかりである。
今日も今日とて、都内の某スタジオで遅くまでドラマの収録が行われている。
「一旦休憩入りまーす」
スタッフの優しい一言に一同はほっと安堵の表情を見せた。
「お疲れ様です」
マネージャーから某メーカーの飲料水を受け取ると、衣装を引き摺って楽屋に戻った。
すれ違うスタッフやタレントさんにおはようございます、と挨拶をしながら。
「ああもう疲れたー・・・早く家に帰りてェ」
誰もいない楽屋の扉を開けて、畳の上に突っ伏す。
井草がちょっと痛いけど、気持ちいいので許してしまう。
チャラララーチャラララー♪
「あ、携帯鳴ってる・・・・」
ドラマの主題歌がメールの着信を告げる。
何処に置いてたっけ、と首を捻りながら体を起こした。
ようやく携帯を見つけて、寝転がったままそれを開いた。
『件名:Happy Birthday!!』
送信者は木村君だ。
こういうイベントにはマメな人だなぁと思う。
『お前も大人のオトコなんだから今年こそはきっちり痩せてみろよ!』
なんて本文と共に、彼の手作りらしいケーキの画像を添えられていた。
明日の収録で持ってきてくれるそうだ。
「すっげーうまそう・・・」
その画像にヨダレが出そうになるのをぐっと我慢していると、今度は別の音楽が流れた。
これは電話の着信音、吾郎ちゃんだ。
「もしもし、慎吾?」
「はいはーい。こちら孫悟空です!」
「・・・またそんなこと言って。今のドラマの撮影中?」
「うん。さっき休憩にに入ったとこ」
「そっか。誕生日おめでとう、慎吾が欲しがってた映画のDVD買ったから」
「え、うっそ!まじでー!?」
「嘘かどうかは明日の収録で。じゃあね」
手短に話し終えて、電話はすぐに切れてしまう。
夜中なのに、思わずテンションが上がる。
さすが18年の付き合い、喜ばせることも忘れない。
「あーもうマジで嬉しい。幸せすぎる」
そうしていると、また電話の着信を告げる音楽が流れ始める。
さっきとは別のメロディで、モチロン相手を指定しているからだ。
「もしもし、慎吾?」
「電話口で名前確認するなんて中居君ぐらいだよ」
「うっせーな。お前今日誕生日だろ?」
「あ、うん。覚えててくれたんだ」
「当たり前。今日のいいとも終わったら時間空くし飯でもどうかと思って」
「中居君がご飯奢ってくれるの?」
「何、俺が信用できないの」
「いや、そういう訳じゃないけど。急に言われるとびっくりするっていうか・・・」
「じゃあやめた。折角慎吾の好きそうなお店見つけたのに」
「嘘嘘!仕事終わったら連絡するから!」
「絶対な」
半ば強制的な言葉を残し、電話はまたも切れた。
一番の権力者には誰もかなわないのだ。
携帯のディスプレイを見たら、休憩時間が終わる数分前だった。
「全然休めてないし・・・」
そうぼやきながらも携帯を手に取って、メールを打つ。
『俺29歳になったよ!インフルエンザ大丈夫?早く治してまたデートしようね』
言いたい言葉は他にもあったけど、手短に打って送信してしまう。
寝込んでいる彼の元にこのメールが届けられたらそれでいい。
『メール送信完了しました』
よし、と携帯の画面を閉じてバッグの中に入れる。
さあこれからまた一仕事頑張らなくっちゃ。
「うきー!!」
深夜の楽屋に猿の雄叫びが聞こえたとか、聞こえないとか。
▲CLOSE?